加齢黄斑変性症の概要

先進国を中心に患者数が急増

加齢黄斑変性症は、50歳を過ぎてからの発症率が高くなります。ものを見る為に重要な黄斑が病変し、症状の進行とともに失明リスクが高くなります。欧米では、失明原因の第一位となっている眼病でもあるのです。

アメリカ国内における黄斑変性症の患者数は、兆候がみられる患者数を含めると1,300万人以上にのぼり、およそ1割に当たる120万人が黄斑変性症による視覚障害を起こしていると言われています。

更に、75才以上に到達すると全体の3割が発症している程です。

この統計情報は、アメリカ国内に限った話でしたが、日本でも加齢黄斑変性症の患者数が急増の傾向にあります。

日本では、糖尿病網膜症や緑内障と比べ全体的な患者数は少ないものの、罹患者数に対する失明者数ではトップ。これが何を意味するのかと言えば、「発症=失明」のリスクに他なりません。

ただし、対策さえしっかり行えば、そのリスクを極力少なくする事は可能です。

先進国を中心に患者数が増えているという事は、経済の発展に伴う環境変化やそれに伴う食生活の変化などが、黄斑変性症の発症と関係しているかもしれないのです。

  • 自然環境の破壊
  • 汚染された空気
  • 喫煙者数の増加
  • 食生活の欧米化
  • 持続的なストレス

こうした事が加齢黄斑変性症のリスクと関係していると見られています。

また、高齢者に多いという事で”加齢”というキーワードが含まれていたものの、近年では、50歳代以下の働き盛りの世代での発症数が増えている傾向にあります。

職場環境も劇的に変化し、仕事でもパソコンを使うのが当たり前になっていて、パソコン等の電子機器を使った労働者へのアンケートでは、目の疲れや痛みを感じている人が20代から60歳以上でどの年代でもおよそ9割以上だったようです。

これは、首や肩の痛みよりも20%以上も多い数値です。

こうした身の回りに潜むリスクが知らず知らずの内に、黄斑変性症の発症率を引き上げているのかもしれません。例えば、喫煙習慣も加齢黄斑変性症のリスクを高めると言われています。

25mgのビタミンCが一度の喫煙で減少してしまう

喫煙者は非喫煙者よりも、黄斑変性症の発症リスクが2.5倍にもなります。煙草を1本吸うと、ビタミンCが約25mgも消費すると言われています。

これが、何を意味するのか。

ビタミンCには、大気中から吸収された有害物質を無害に変える抗酸化作用が有り、煙草の有害物質によって、これだけの量が消耗してしまうと言うことです。

尚、日本人のビタミン所要量は大体110mg程度。煙草5本以上吸うと体内のビタミンCは消耗しきる計算です。

ビタミンCには、それ以外にもビタミンEの修復をサポートする働きがあります。ビタミンEは、細胞膜に常駐して、活性酸素や老廃物などの不安定な物質が細胞を傷つけるのを防ぐ働きがあります。

つまり、喫煙によりビタミンCが失われると、ビタミンEを修復できずに抗酸化力が弱まってしまうのです。

更には、喫煙が網膜の血液循環の約22%を減少させると言われています。目は、常に働く組織なので血流が意外と多いという事は、どの位知られているでしょうか。喫煙により血流が滞ると、正常に作用しなくなるという事も否定出来ません。

喫煙。ビタミンCの消耗。体内の抗酸化力の減少。この繰り返しもまた、黄斑変性症の発症リスクに連なっているのです。